浮世絵系美人画家/日本画家・伊東深水の後継弟子【大竹五洋】公式ホームページ
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矢立とスケッチ

伊藤深水と大竹五洋のスナップ写真私はスケッチの場合、常に「矢立」による筆で描いています。
師匠・伊東深水へ弟子入り当初、鉛筆又は色鉛筆で写生をしていました。ある日、師匠から矢立と日本紙の巻紙を渡され、
「これで毎日、日記代わりに、何でも良いから手当たり次第に見たままを描きなさい」
と云われ、私は描き貯めて三日に一度、講評を受けました。
墨による筆画は、一度引いた線は消すことが出来ません。師匠からは、紙の上をリズミカルに筆を走らせる事が大切だと云われましたが、初めのうちは大変難しく思いました。師匠の傍らで写生をするときは、師匠の運筆の様子をじっと見て、線の研究をしました。
矢立による筆のスケッチは、正確に物を写し取る訓練の他に、滲(にじ)みやスピード感のある線に独特の味わいが出ます。線描きをして、着彩をして仕上げます。私にとってのスケッチは、私と対象物だけの世界になり、最も至福の時であり冥利につきます。私はこれからも、矢立でスケッチをします。
(五洋)

※右上の写真は、師・伊東深水とともに野外スケッチに出た際に撮影されたもの。伊東深水の手には矢立が握られている。また左上の写真は現在、大竹五洋氏が愛用している矢立。

矢立の写真

●矢立(やたて)
鎌倉時代頃から使われている携帯用筆記用具で、墨壺と、筆を入れる筒を一体にしたものです。墨壺にモグサなどを入れて墨汁をしみこませ、こぼれないように工夫されています。江戸時代には墨壺が丸くなり、現在のような形になりました。

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