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私は40年以上前から、一人前のプロフェッショナルの画家として生活をしています。それが私の誇りでもあります。
プロの絵描きになるという夢を持っておられる方は数多くいらっしゃいます。ただその道は決して平坦ではありません。まずは収入面という現実的な問題が立ち塞ぎます。
絵は、生きていくために絶対必要条件なものではありません。いわば高価な贅沢品で、それを制作して販売し、糧をえるということは大変な事です。そのため絵を売るための専門職である画商や、展覧会をやるための会場となるギャラリーやデパートが必要となります。美術がビジネスとしてシステム化するほどマージンを取られると、いうジレンマもあります。
また、どうしても画業だけでは生活できずに副業を持ったため、芸術家として中途半端になってしまう例を何人も見てきました。画家は今こそ新しい流通経路、販路を見出す時なのかもしれません。これは今後の美術界の課題でしょう。
プロフェッショナルとアマチュアの違いはそもそも、その出発点から違います。徒弟制度のなか、師匠となる画家の下で徹底的に厳しい修行を積むのです。
芸術大学は合格するまでに、専門の進学塾でデッサンの基礎を完全にマスターさせられます。つまり芸大に入ってから絵を描ける様になるのではなく、すでに描ける人のみが大学でさらに専門分野へと進めるわけです。高倍率の受験を勝ち抜いた中から、さらに画家として生きて行ける人が絞られていきます。いずれにしましてもそこまで厳しい世界なのです。一般の方が趣味で描いているのとでは内容の密度が違います。
楽しんで描く事自体は、その人の人生に潤いを持たせることなので、とても良いことだと思います。しかし長年描いているアマチュアの方の中には、自分もプロだと思っておられる人がいるようです。しかも悪い事に、このような方々はついつい高慢になりがちです。スタートラインも制作する姿勢もまったく異なりますので、それを同等にあつかうようでは、日本の絵画のレベルも低下してしまうのではないかと案じています。
絵は美術館で見るものと思っておられる方も多いと思いますが、各家庭に飾られて親しんで頂けるようになれば良いと思っております。絵があることで、その家が幸せな気持ちに包まれるという感動を味わってほしいと思いますし、そのために芸術家という職業が存在していると考えております。
「文化の無い国は栄えない」といいますが、まずは個々の家庭からではないでしょうか。美術をもっと日常に取り込んで欲しいと願っています。
(五洋)
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